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3.オマーン滞在案内

(1)オマーン基礎情報

(2)オマーンの歴史

(3)査証の取得

(4)長期滞在のための手続き

(5)交通事情

(6)安全対策

(7)生活案内

 

(1)オマーン基礎情報

正式国名
 和文:オマーン国
 英文:
Sultanate of Oman

国家元首

  名前:

カブース・ビン・サイード・アール・サイード国王陛下(1970年7月23日即位)
 肩書: オマーン国国王
 Name: His Majesty Sultan Qaboos Bin Said Al Said
 Title: Sultan of Oman

議会
 諮問議会(民選:84名):議長 ハーリド・ビン・ヒラール・アル・マアワリー
 
国家評議会(勅撰:83名):議長 ヤヒヤ・ビン・マフフーズ・アル・マンゼリ

 オマーン政府閣僚リスト(2011年4月現在)

位置
 アラビア半島東南端、北緯16度~26度、東経51度~59度に位置し、陸上ではアラブ首長国連邦、サウディ・アラビア、イエメンと国境を接しています。

面積
 約30万9千500平方キロメートル(日本の約4分の3)

地勢
 人口の大半は、北東部の幅10キロ、長さ300キロに及ぶバーティナ海岸と、オマーン湾に沿って走る標高2,500mを越える山々をもつハジャル山脈の周辺地域に集中しています。この地域は、海から来た湿気が山脈にあたって、雨を降らすことにより若干の降雨があり、天水、井戸水及びファラジュと呼ばれる灌漑システムによる農業の適地です。また、南部のドファール地方もカラ山脈の南側にはわずかながら耕作地帯があります。

 国土全体の約3%が平野部で、約15%が山岳部、この両地域を除いた残り約82%は不毛の砂漠及び土漠です。尚、飛び地のムサンダム半島はほとんどが山岳地帯になっています。

気候
 マスカット及び北のバーティナ海岸地方の気候は、夏は高温多湿であり、雨は冬季に少量降るに過ぎません。4月から10月までが夏季で、特に5月から8月にかけては一日の最高気温が40度~50度以上(マスカット近辺、以下同じ)、最低気温が30度以上という酷暑が続きます。湿度は6月~9月が高く、平均80%以上にも達します。12月から2月までは快適な季節で一日の気温は10度台から30度程度までの間を推移します。
 内陸部では夏の気温はこれより高く、冬の気温は若干低くなり、総じて湿気は少ないといえます。雨量も少ないが、ハジャル山地では冬季及び夏季にかなり頻繁に降雨があります。
 南部ドファール地方の気候はいわゆるモンスーン気候で、6月から9月まで雨季に入り、湿度は高いが、気温は最高30度程度とオマーンの他の地域に比べ低いです。乾季には湿度が下がり、気温も雨季の前後は若干上るが、冬は低くなります。

人口
 
約274万人(07年末)

住民
 国民の大部分はアラブ系住民。その他東アフリカ系、インド系、パキスタン系、イラン系オマーン人がいます


外国人
 インド人、パキスタン人、フィリピン人、バングラデシュ人、エジプト人、英国人が多く、総人口の内外国人居住者数は約82万人(07年末)で全人口の約30%を占めます

年人口増加率
 約2.2%(07年末)

平均寿命
 72.0才(07年末)

言語
 
アラビア語(公用語)のほか、英語がかなり通用します。この他、スワヒリ語、バルーチー語、ウルドゥ語も地域によっては通用します。

国民性
 
オマーンは古くから海洋国家として繁栄し、かつて海外植民地を経営していた歴史の影響もあり、大国の遺風を色濃く受け継いでいます。このためアラブ世界の中でも相対的に性格は鷹揚かつ穏健であり、外部世界を知っているため進取の気性に富み、異文化に対してかなり寛容とされています。しかしながらこのような伝統を背景として、オマーン人はきわめて高いプライドをもっています。また、概して親日的です。

国旗
 1970年に制定。白・赤・緑の3色から成り国章が付記されています。白色は平和と繁栄への決意、赤色は外国勢力と戦ってきたオマーンの戦い(70年以前の国旗は赤一色)、緑色は肥沃なオマーンの大地を表わしています。
 なお、95年11月1日より、上記3色の部分の幅を均等にするとの部分的変更がなされました。国旗左隅に付記されている国章は、当国の伝統的武器である長剣と短剣(ハンジャル)を組み合わせたもので、同国章は18世紀中頃から使用されています。


国歌
 「アッサラーム・アル・スルターニー」
 過去の栄光と伝統を誇る当国の人々が、70年に新たな指導者カブース国王を迎えたことに対する喜びと、カブース国王の治世が長く繁栄するようにとの願いが込められています。

国花
 定められていません。

(2)オマーンの歴史

 オマーンの歴史は古く、紀元前4000年くらいまでさかのぼることができますが、比較的はっきりした事実を辿ることのできるのは紀元前2世紀くらいからです。この頃からオマーンの地に西のイエメン地方と北のアラビア半島北部から、アラブ人の移動・定住が行われました。オマーンのアラブ人は、西暦7世紀にイスラムに改宗し、当時影響力を及ぼしていたペルシャ人勢力を追放しました。またオマーンでは、イスラムの各宗派のうち、血統による指導者の交代を認めず、選挙により指導者を選出するイバード派が勢力を伸ばし、同派は現在オマーンの主要宗派となっています。

8世紀にはイマームと呼ばれる宗教的指導者が選ばれて、中世にはアラビア湾地方随一の港と称せられたソハールの港を拠点としてインド西海岸やアフリカ東海岸との交易が盛んに行われ、各地(特にアフリカ東海岸)にオマーン人の植民地が建設され第一次の隆盛期を迎えました。9世紀にはソハールから中国の広東までの航海の記録が残っているほか、千夜一夜物語に登場する船乗りシンドバッドは、ソハールから度重なる航海に船出したと伝えられています。

 その後、ペルシャやポルトガルの支配下に入りますが、17世紀に、オマーン内陸部のヤールバ朝がポルトガルを駆逐し、オマーン全土を回復しました。現在オマーンを統治しているブーサイード王朝は、18世紀半ばに興った王朝です。オマーンに侵入していたペルシャ軍を追い払い、新たに現在パキスタンのグワダル(
Gwadar)を版図に加えました。19世紀前半のサイード大王(1807~1856)はスルタンを名乗り、自ら艦隊をひきいてアフリカ東海岸に赴く等の積極的国家経営を行い、オマーンは第二の隆盛期を迎えました。

 その後、オマーン国内では反乱が発生するなど不安定な時代に入りますが、1970年に現カブース国王が王位に就くと、近代化政策を積極的に推進し、石油収入を基にした目ざましい経済発展を実現しました。また対外的には善隣外交、内政不干渉を軸とした全方位外交を展開しました。オマーンにおいて、カブース国王が自国の伝統を保持しつつ進める近代化は、「ルネッサンス」と呼ばれています。

(3)査証(ビザ)の取得

 オマーンに滞在するためには、査証(ビザ)が必要です。査証は在京オマーン国大使館や当地空港到着時、国境等で取得することができます(但し、旅券の残存有効期間は、最低6ヶ月必要です)。

 空港での取得の場合、一般日本旅券所持者は、マスカット国際空港での申請により、1ヶ月有効の査証を取得可能です(1ヶ月の延長可)。費用は20オマーン・リヤル(約52米ドル/換金率による)です。また数次査証では、一回の滞在期間は3週間までとなっています。費用は50オマーン・リヤル(約130米ドル相当/換金率による)です(査証費用は,現在オマーン外務省に確認中なるも,2010年10月20日付報道に基づく)。

  そのほかビザに関する最新情報、種類などの詳しい情報は、在京オマーン国大使館にご確認ください。

在京オマーン国大使館                                         

東京都渋谷区広尾4-2-17                                     

電話:03-5468-1088  FAX:03-5468-1086

(4)長期滞在のための手続き

(ア)大使館での手続き

在留届 

 外国に住所又は居住を定めて3ヶ月以上滞在する日本人は、旅券法第16条により、その地を管轄する日本国大使館・総領事館に在留届を速やかに提出するよう義務づけられています。現地に到着し、住所又は居所が決まりましたら、在留届を当館に提出してください。また、在留届提出後、転居など記載事項に変化があった場合は、必ず連絡してください。

 すでに3ヶ月以上居住されている日本人の方で「在留届」をまだ提出されていない方、もしくはこれから3ヶ月以上にわたって居住される予定の方で、「在留届」未提出の方は、至急当館領事班宛に「在留届」を提出してください(外務省ホームページhttp://www.ezairyu.mofa.go.jpを利用した電子届出も可能です)。また、在留届「用紙」はこちらからも入手できます。

 在留届に関してその他ご不明な点がありましたら、下記外務省のホームページをご覧いただくか、当館にお問い合わせ下さい。

外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu/index.html

在外選挙

 2007年6月1日以降、在外選挙人名簿に登録された有権者(在外選挙人証所持者)は、衆議院議員選挙と参議院議員選挙の選挙区選挙及び比例代表区選挙に投票できるようになりました。在外選挙を行うためには登録が必要ですが、海外居住期間が3ヶ月未満の方でも登録申請ができます(但し、居住期間が3ヶ月になるまでは、申請書を当館に保管し、居住期間が3ヶ月に達した後に再度住所を確認の上、申請書を外務省に送付します。)。

 在外選挙人名簿の登録申請にあたっては、満20歳以上の日本国民であること、そして日本国内の最終住所地の市区町村に転出届を提出し、在外選挙人名簿に未登録である必要があります。また、海外居住期間が3ヶ月未満でも登録申請はできますが、日本国内での登録手続きは、居住期間が3ヶ月経過した後に行われます。

 申請には、申請書(大使館にて入手可能です)、及び以下の書類が必要です。

申請者本人による申請の場合には、

  (a)旅券

   (b)在外公館の選挙管轄区域内に居住していることを確認できる書類

同居家族等による申請の場合には、

  (a)申請者本人の旅券               

  (b)申請者本人が自署した申請書及び申出書

  (c)3ヶ月以上の継続居住又は申請時の住所を確認できる書類

  (d)申請を行う同居家族等の旅券

 原則として、登録申請先となる選挙管理委員会は、日本国内の最終住所地の市区町村選挙管理委員会です。在外選挙人名簿に登録されると、投票に必要な「在外選挙人証」が市区町村選挙管理委員会から申請時の在外公館を通じて交付されます。

 在外選挙に関してその他ご不明な点がありましたら、下記外務省又は総務省のホームページをご覧いただくか、当館にお問い合わせ下さい。

外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/index.html

総務省ホームページ(http://www.soumu.go.jp/senkyo/hoho.html

その他(旅券,戸籍・国籍,各種証明,年金等)

旅券

戸籍・国籍

 外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/koseki/index.html

各種証明

 外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/shomei/index.html

年金

 外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/kaigai/nenkin_hoken/index.html

(イ)現地での手続き

査証の切り替え

 オマーンで長期滞在をする方は、滞在査証(2年間有効)をオマーン王立警察に申請し、身分証の発行を受ける必要があります。

運転免許証の切り替え

 車両の運転には、有効な運転免許証が必要です。ジュネーブ条約加盟国ではない当国では、右条約加盟国である本邦政府発行の国際運転免許証で運転をすることはできません。また、当国に在留する外国人はオマーンの運転免許証を取得する必要があります。日本の運転免許証を取得して1年以上経過している方は、大使館で発給している日本の運転免許証の翻訳証明書を添えて申請すれば、オマーンの運転免許証を取得することができます。それ以外の方は、オマーンの運転免許試験を受ける必要があります。

(5)交通事情

(ア)概況

 オマーン国内の移動は、車両が最も一般的です。公共交通機関は、都市間の長距離バスのみが運行しています。市内で利用可能な交通機関は、所定の区間を走る乗り合いバス(ワゴン車)か、タクシーとなります。乗り合いバスは低料金ですが、行き先などの表示もなく、バス停もない為、道路の脇で通りかかるのを待ちます。またタクシーにはメーターがなく、乗車前に料金交渉を行う必要があります。空港、ホテル等からのタクシーには料金設定がありますが、少し割高になります。

 道路交通環境について言えば、都市部の道路や主要幹線道路は街灯も設置されているなど整備されており、保守・管理も行き届いていますが、地方の整備は遅れています。また、都市間の移動など長距離の運転(特に夜間)は、街灯設備の未設置、道路を横断する家畜、速度超過の車両が多いなどの理由により、危険を伴います。

 レンタカーを借りる場合、盗難や破損に対して充分な保険を掛けるよう求められます。車を所有する際には、少なくとも第三者保険に加入する必要があります。また、車で国外(ドバイ等)へ出る場合には、国外でも有効な保険に一時的に加入することができます。

(イ)交通事故概況

 当地では人口1万人当たりの交通事故による死者の割合は、日本の約8倍となっており、これは世界的に見ても高い数値となっています。2009年も既に4月の段階で過去最悪と言われた去年を上回るペースで死者が増え続け、大きな社会問題にもなっています。 

 主要な事故原因には速度超過と無謀運転が挙げられています。当地の治安当局では、死亡事故の主要な原因と考えられている

○信号無視   ○速度超過   ○飲酒運転

に対しては身柄を拘束するなど、厳しい取り締まりを行っています(※警察官の指示に従わない場合も即刻身柄を拘束されるので、停止を求められた場合は素直に従い、冷静な対応を心がけてください。)。

 他にも交通をめぐる環境については慢性的な交通渋滞と未熟な運転技術、交通法規の遵守及び運転マナーの不徹底など、事故要因に直接あるいは間接的に結びつく要素が多く、赴任時や、夜間の運転には特に注意を要します。

 車を運転する際は、シートベルトを着用し、速度制限を遵守して安全確認を徹底することが事故防止につながります。

(6)安全対策

(ア)治安概況

 概して当地では治安維持に関する当局の各種施策が末端まで行き届き、中東地域でも稀に見る良好な治安状態を維持していますが、他国と同様、犯罪は日常的に発生しています。

 特に外国人労働者や低所得者層が多く居住する地区、酒類を提供するホテルや飲食店、夜間、週末の大型ショッピングセンター周辺や若者がたむろする海岸線沿いの公園等では、トラブルに巻き込まれる可能性がありますので注意が必要です。

(イ)犯罪統計と犯罪の態様

 一般犯罪についての2005年から2007年までの犯罪統計によれば、2005年の犯罪発生件数は約8,800件、2006年が約9,300件、2007年は約10,000件となっており、近年微増傾向にあります。

 犯罪の発生傾向については、ナイフ等の凶器を所持した強盗が最も多く、次いで傷害、薬物犯罪の順となっています。特に近年は薬物の使用、売買が深刻な問題となっており、治安当局は関係機関と連携して、違法行為の摘発とともに、薬物中毒者に対する各種支援活動を積極的に行っています。

(ウ)当地の特殊事情

 当地では宗教上の制約から娯楽が限られていることや、特にアジア系女性に対する偏見等が理由となって、性犯罪の被害に遭う女性が少なくないと言われており、夜間の女性の一人歩きは避けた方が無難です。

 従って、特に女性については当地の宗教、慣習、文化を善く理解し、これに適合した服装、振る舞いが肝要です。

(7)生活案内(オマーン滞在に役立つ情報はこちら

教育関係 

 オマーンでの子女教育は、日本人会補習授業校の他に、インターナショナル・スクールへの通学などの可能性があります。このうち、日本人会補習授業校(http://www.geocities.jp/oman_hoshuko)は、1983年11月に開校した準全日制の学校で、2009年4月現在、児童生徒数6名、教員2名(文部科学省派遣教員1名、常勤講師1名)で運営されています。

 オマーンのインターナショナル・スクール等諸外国の学校情報についてはこちらを御参照下さい。

 日本国の海外教育についてはこちらを御参照下さい。

医療

 たいていの医薬品は入手できますが、薬品のほとんどはヨーロッパ製であるため、常備薬、特殊な薬、漢方薬は持参することをおすすめします。

主な病院一覧

KIMS Oman Hospital                [Darsait(ダーサイト)地区] 私立 24788803
24760123(緊急)
Muscat Private Hospital
[Bawshar(バウシャー)地区] 私立
24592600
Royal Hospital
[Bawshar(バウシャー)地区] 国立
24592888
24590491
Khoula(コウラ) Hospital
[Watayyah(ワタイヤ)地区] 国立
24563625

 オマーンを含む世界の医療事情についてはこちらを御参照下さい。

その他

 近年、日常生活で必要なものはほぼ手に入るものの、日本食は入手が困難になりつつあります。

 オマーン人等を日本に招聘する際等の日本国査証の情報についてはこちらを御参照下さい。

 日本の運転免許証に関する情報についてはこちらを御参照下さい。

 

 在留届を提出されている方で,日本に帰国される方,オマーンから他国へ転出される方は,大使館に必ず連絡してください。

日本に帰国される際は,以下の情報も確認をお願いします。

     税関 http://www.customs.go.jp/kaigairyoko/index.htm

     法務省入国管理局ホームページ http://www.immi-moj.go.jp/

     FORTH/厚生労働省検疫所 http://www.forth.go.jp/

     日本旅行業協会 http://www.jata-net.or.jp/travel/info/basic/customs/