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大使室から

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 齊藤大使の着任挨拶

  皆様はじめまして。新たにスルタン・オマーン国日本大使に任命されました齊藤貢です。2015年12月2日,首都マスカットに着任しました。

  私はこれまで、中東の専門家として中東の様々な国々で勤務経験を積んでまいりましたが、湾岸諸国でも、サウジアラビア、アラブ首長国連邦で勤務しました。

  このような経験を踏まえまして、私は、昨今の情勢不安定な中東地域にありながらも、英邁なカブース国王の指導の下で安定と平和を維持し、自然と歴史に恵まれるオマーンを、「中東の桃源郷」と思っております。

  残念ながら、日本でオマーンを知る人は大変限られていますが、美しい海や3,000メートル級の山や緑豊かな高原地帯など,自然に恵まれた風光明媚な国です。また、古い歴史と文化を持ち、古くは「乳香の道」として繁栄した国であり、人々もそれを誇りにしています。 さらに、オマーンは,古くからアジアとアフリカを結ぶ交通の要衝にあり、海洋国家としても繁栄してきました。アラビアンナイトに出てくる船乗りシンドバッドは、オマーンの港町ソハールから出航したといわれています。オマーンの人々は、進取の気性に富み、温厚で親しみやすく,非常に親日的だと感じます。

  また,オマーンは、アラビア半島の東南端に位置し、ペルシャ湾の出入口であるホルムズ海峡を擁すると共に、インド洋に良港を有する戦略的にも非常に重要な国です。オマーンは、近隣諸国に比べると原油も天然ガスの生産量も多くはありませんが、ホルムズ海峡を通らずに輸出出来るというメリットがあり、エネルギー安全保障上も重要な国です。 

  不安定な中東地域にあって、長年オマーンが安定と平和を維持している秘訣は、英邁なカブース国王による平和と対話を基礎とする賢明な外交政策にあると思います。最近では、イランの核問題でアメリカ・イランの仲介を行い,問題の解決に大きく貢献しましたが、地域の安定と平和に大きく寄与するその外交政策は、国際的に一目置かれています。

  さらに、政治的安定を保ちつつ経済的戦略地にあるオマーンは,地域における経済ハブとしての大きなポテンシャルを秘めていると信じており、その重要性は益々増加すると思います。加えて,観光資源や漁業資源も豊富であり、今後、海外からの投資も加速することが予想されます。「中東の桃源郷」であったオマーンは,様々な側面で注目度を高めています。

  私は、この度、この魅力ある「中東の桃源郷」のオマーンに日本大使として着任しましたが、日・オマーン間の友好関係と相互理解の促進、特に日本にあまり知られていないオマーンの経済面、政治的・安全保障面で重要性について日本側の理解を深めることに努めつつ、日・オマーン両国の協力関係の発展のために努力したいと思います。

  また,言うまでもありませんが、日本大使館としましても、在留日本人の皆様の安全と日本企業が一層活躍出来るよう、私が率先して、最大限の努力を行っていく所存でありますので、皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。

2015年12月 駐スルタン・オマーン国特命全権大使
齊藤 貢





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